陶との出会い
わたしの実家は、茨城県にある笠間焼の窯元です。
物心ついた時には身近に陶芸はありました。
曾祖父が滋賀県の信楽出身で東京で陶器の卸売業を営み、戦時中に笠間市に疎開してきたところから笠間焼との繋がりができました。その後、祖父、父と、代々陶芸に関わってきました。
おうちが窯元なら、さぞかし子供の頃から陶芸が好きだったんでしょう?と時々言われますが、、実はそんなことはなく。
私が子供の頃に実家で作っていた陶器といえば、色も形も渋くて、可愛いものが大好きだったわたしにとっては、なんだか地味なものに感じられていました。
陶の道へ
そんな私が陶芸をやろうと思ったきっかけは、ちょうど将来に悩んでいた頃でした。
ある時、実家の窯元で働いていた方が、わたしに顔料を練りこんだ色粘土を作ってくれました。
初めて見るパステル調の色味に俄然創作意欲がわいて、陶器の人形を夜な夜な作りました。毎朝、母が起きてくると、「すごい可愛い!」と喜んでくれました。
自分がモノを作ることで人に喜んでもらえる。
そのことがこんなにうれしいものだとその時初めて知り、陶芸が好きになった瞬間でもありました。
今でも、自分の作品で人に喜んでもらえることが一番のモチベーションになっています。
その後は、20代で数年陶芸に関わった後に、10年ほど陶芸から離れ、事務などの仕事をし、30代半ばで、“好きなことを仕事にしていこう”と思い、また陶芸の道へもどりました。
陶芸に戻ってからも技術的なことや作風でも悩み、試行錯誤を繰り返して今に至ります。
最近のこと
わたしの工房は茨城県の筑波山が見えるのどかな田舎にあります。
家には猫が2匹(+現在野良猫1匹保護中)いて、日々わたしに癒しをくれます。
猫作品を作っているので、猫好きのお客様と猫トークできるのも楽しいです。
みなさん猫の話をすごくうれしそうにされるので、わたしもきっと猫の話をするときは同じ顔をしているんだろうなと思ったりしてます。
去年、多肉植物にハマって、少しずつコレクションしたり自分で増やしたりしています。
多肉植物にハマったおかげで、植物にも興味が湧いて、植木鉢を作る時には水はけを良くするということを更に意識するようになりました。
ふと、これを書きながら、最初にもらった色粘土のパステルな色味が今でもわたしの作品作りのベースにあるんだなと気づきました。
陶器で色味として使う顔料は、そのままでも使うことができるのですが、そのまま使うと色が強いというかハッキリし過ぎるので、わたしは白化粧(白い泥状の粘土)に混ぜて使っています。
粘土に混ぜることで、色味が柔らかくなる感じが好きです。
これからも自分らしく、ものつくりを続けていきます。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。